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背を向けたまま

翔が親元に帰ったことについて。
後で追記・修正するかもしれません。


元々、うちのタルパに親や家庭は存在しないはずだった。翔に「お前に親はいない」と言い聞かせたわけじゃないけれど、ダイブ界の敷地が家のようなもので、私や他のメンバーが家族に近いものだ……と私はとらえていた。

そのはずが、翔が「ただいま」と言って家に入ったり、ランドセルを背負って通学したりする様子が頭に浮かぶようになった。
ただの妄想だと考えようとしたが、普段の妄想とは違って展開を変えられない。極夜に自我が芽生えたときや、朔夜とあゆみが揉めたときと同じだった。これから起きることを予測はできても、私が変えられるかは別の話。

数日後、職場で流れ作業をしているときに背後に翔が現れた。家に帰るのか尋ねると「うん」と言われた。
翔に背中を向けたまま、元気でねと言い合ったのが最後になった。


後から朔夜とあゆみに聞いた話では、翔は私の職場をこっそり見に来たことがあったらしい。

朔「なんか悔しかったからマスターには言わなかったけど。」
翔は私の仕事中の姿をカッコいいと言っていて、朔夜はそれを聞いて若干嫉妬したんだそうだ。

朔「……仕事中にしょっちゅう(脳内で)奇声あげてることは話してないから安心しな」



翔が去ったあと、ダイブ界に翔のスケッチブックがあると知って、朔夜に持って来させて見せてもらった。
人のものを勝手に見ることに罪悪感はあったし、朔夜は「そのまま燃やそうか」とも話していたが、私の一存で決めてしまった。

一緒に暮らしたメンバーや植物の絵が多いのかと思っていたら、実際にはもっと色々あった。見聞きしたもの、想像したものをなんでも描いていたらしい。

現実世界で私が通っていた高校の風景、食べ物や道具。地図を描くことにはまっていたらしく、ダイブ界の地図や現実世界の路線図もあった。台風で壊れた家や、車で連行される犯人の絵、マスクをして手を洗う人の絵もあった。極夜がお化けを退治する絵も何枚かあった。

誰にも上手い・下手の評価をされないまま、描きたいものを描いたように見えた。φ(..)


コメント

なんか寂しいすねー
でもいろんな「タルパ」「タルパー」の在り方はあって
冬樹さんちではこの別れもまた自然なかたちなんだろうなと読んでて思いました

誰の目も気にせず自由にお絵描きしていた翔くん
お家・親元に帰った後もそんな暮らしを送っていると良いです

Re:

友達と遊んでいて、夕方になったから家に帰る……という感じの別れでした。こう自然だと引き留める言葉も出ない。

タルパとの在りかたは本当に人それぞれですね。正しいか間違っているかではなく「自然なかたち」と見てくださるのはありがたいです。

私からはもう翔に干渉できませんし、寂しくはありますが……向こうでも元気にやっていると信じることにします。よく食べて眠って、そのうち背も伸びていって、宿題やったり絵を描いたりしていれば良いとおもう。
それではまた。

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